国際カップルってどう出会うの? 聖書の会がきっかけ、初対面まで5ヵ月…日本と違う「海外の恋愛事情」を聞いた
昨今、グローバル化によって国際結婚や国際カップルが珍しくなくなってきました。しかし、恋愛の価値観は国や文化によってさまざま。日本では当たり前のことが、海外では普通ではない――そんな発見も国際恋愛の醍醐味かもしれません。
そんな文化の違いを乗り越えて一緒にオーストリアで暮らすカップル3組にインタビューしました。今回は「交際のきっかけ」についてのインタビューを紹介します。日本ではマッチングアプリ、街コンなどが盛んですが、海外の恋愛事情はどのようなもなのでしょうか。
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ケース1:「聖書を読む会」リーダーの母がきっかけ
まずは日本人女性のトモカさん(28歳/仮名)と、日本とオーストリアのハーフであるダビットさん(26歳/仮名)カップルから。
実は最初に出会ったのは、トモカさんご自身とダビットさんのお母さん。トモカさんをとても気に入ったお母さんが、2人を繋ぎ合わせたんだそう。
トモカ「ダビットのママ経由で知り合いました。私たちは全員クリスチャンなんですが、日本語で聖書を読むためのバイブルスタディの会で、ダビットママがリーダーをしているんです。ダビットと知り合う前から、私はダビットママと2人でお出かけしたりしていて。実家にも週1くらいで遊びに行ってました」
ダビット「僕はまだあまり日本語に慣れていないから、日本語で聖書を読むのは難しくて、その会には参加してなかったんだ。実家ももう出ていて。トモカとは、彼女が僕の実家でご飯を作った日に、僕が食べに行って会ったのが初めてかな」
トモカ「そうしたらダビットママが、トモカと息子をくっつけたらどうかと思ったらしくて(笑)」
ダビット「トモカはすごく優しくていい子で、結婚にもいい価値観を持ってるってママが言ってて。それで僕に会わせなきゃって思ったらしい(笑)それで、その時に予定していたトモカの引っ越しを手伝うよう言われたんだ」
トモカ「いざ私がダビットに連絡したら、2、3週間無視されたなんてこともありましたが(笑)結局、引っ越しの日に会ったらすっかり意気投合して。そのあとはダビットの出張とかコロナ感染とかで1ヶ月ほど会えなかったんですが、3、4回ほどデートをしてから付き合うことになりました。
親の紹介から付き合うというのは多分特殊なパターンだと思います。ただ、そういえば友達のギリシャ人も、今の旦那さんと出会うより先に、義理のお母さんと知り合いだったと言ってましたね。私と同じパターンです」
ダビット「僕たちみたいに最初から相手の親と知り合いなのであれば、将来的に姑関係で苦労が少なくていいんじゃないかな。もちろん、お互い干渉しすぎないとかの努力は必要だけどね」
トモカ「どんな環境で育って来たか、どんな価値観が家庭内にあったかを最初から知れるから、将来を考えるうえで安心材料にもなるよね」
ケース2:言語交換アプリを通じて、5か月後に対面
2組目はオーストリア人女性のリザさん(27歳/仮名)と日本人男性のタクミさん(27歳/仮名)カップル。2人の出会いは言語交換アプリ(※)でした。
リザ「日本に旅行に行く計画を立てていて、旅行の前に日本の文化を知ろうと思ってTandemという言語交換アプリを始めたの。そこで言語交換の相手として知り合ったのがタクミでした。チャットから始まって電話するようになり、一緒にオンラインゲームするようにもなって…お互いすごく気が合ったの」
タクミ「僕は当時ワーキングホリデーでオーストラリアに滞在していて、英語の勉強をしていました。そのアプリは英語の勉強のために使っていて、たまたま知り合った感じ。ゲームとかアニメとか、好きなものでお互い共通する部分が多くて」
リザ「そんな感じで5ヶ月くらいオンライン上で連絡を取り合って、5ヶ月経ったころくらいにタクミがオーストリアに遊びに来て。実際に会ってから3週間くらいで付き合い始めたかな」
※言語交換アプリ:お互いの母国語を教え合うパートナーを探せるアプリ。SNSのような使い方も出来る。「HelloTalk」や「Tandem」など。
ケース3:「言語交換パートナー」として紹介された
3組目は日本人女性のリカさん(36歳/仮名)とドイツ人男性のシュテファンさん(36歳/仮名)カップル。言語交換パートナーとして月に2、3回会って、仲を深めていったんだとか。
リカ「共通の友人の紹介で会ったのが最初です。ドイツ語を勉強するためにはやっぱりドイツ語が母国語の人と話した方がいいからって、日本人女性の友達が紹介してくれました」
シュテファン「タンデムパートナー(※)みたいなね」
リカ「それから月に2、3回会ってました。私の学生ビザがおりる前だったのでバイトができなくて、お金がなかったのでたまにビデオ通話にしてもらったりとか(笑)付き合い始めたのは出会ってから3ヶ月くらいの頃からかな。
付き合っていない段階でシュテファンがボディコンタクトを求めてきたので、日本ではそういうボディコンタクトはちゃんと付き合ってからじゃないとしないって説明したんです。それキッカケでじゃあ付き合おうってなりました」
※タンデムパートナー:言語交換パートナーのこと。
国際恋愛の出会い、意外と身近かも?
今回インタビューした3組のカップルの出会い方は、お母さんの紹介、言語交換アプリ、そして友人の紹介と、まさに三者三様でした。けれど共通していたのは、「言語での繋がり」があったこと。
国際恋愛というと特別に聞こえるかもしれませんが、その始まりは意外と私たちのすぐそばにあるのかもしれません。特に言語交換アプリでの国際的な出会いは、日本にいても期待できるはず!?
(ヤマコシショウコ/音楽家、ライター)


















