われわれの体内では「がん細胞」が毎日発生している
日本人の国民病ともいわれ、2人に1人が生涯に一度は罹患するとされる「がん」。おそらく、この連載をお読みの多くの方が知りたいであろうがんとクスリについて、今回から紹介していきます。
深掘りしようとするとどこまでもいけてしまう分野なので、あくまで基礎的なところをできるだけわかりやすくお伝えします。
なぜ、がんにかかる人が増えているのか? そこにはいくつも原因があると思いますが、そのひとつが「高齢化」です。大昔の平均寿命は50代くらいだったので、簡単にいうと「がんになる前に天寿を全うしていた」ということになります。ところが、医療の発展や食生活の充実などによって、日本人の寿命は男女ともに80代(女性は80代後半)まで延びました。そのため、高齢化によってがんになる機会が増えたのです。
がんというと、“特別なもの”という印象があるかもしれませんが、われわれを構成している細胞がおかしくなることによって起こります。細胞が増えるときに遺伝子(DNA)がコピーされるのですが、時々そのコピーがうまくいかないことがあります。


















