関西電力の新経営計画は不十分と“NO”を突きつけたエリオットの狙い
コワモテのアクティビスト(物言う株主)として知られる「エリオット・インベストメント・マネジメント」は、関西電力に対し、成長投資の計画がどのように1株当たり利益の増加につながるのかを明確に示すこと、1株当たり配当金を100円以上に引き上げる計画を示すこと、明確かつ野心的なROE(自己資本利益率)目標を設定するとともに、ノンコア資産の流動化や自己株式取得などの資本効率改善に向けた具体的な戦略を打ち出すよう求めている。エリオットは関電株の5%弱を持っているとされる。
関電は、策定中の新経営計画に「純利益の25~35%を株主に還元する」方針を盛り込むことを10月30日に明らかにしたばかりで、2026年3月期の年間配当予想も前年比15円増の75円に引き上げた。だが、エリオットは関電の対応はまだ不十分と、NOを突きつけた格好だ。
エリオットは、ポール・シンガー氏が1977年に設立した米国の投資ファンドだ。「アルゼンチン国債を巡り、政府との闘いに勝利したファンドとして名を馳せ、米国ではAT&Tやツイッターへの投資で成功した」(市場関係者)とされる。日本においてもソフトバンクグループへの投資などで自社株買いを引き出し、巨額の収益を手にしている。


















