現行保険証の「来年3月まで使用延長」がマイナ混乱に拍車…周知不足の怠慢行政
〈マイナンバーカードをご利用ください〉〈今回お持ちでない方は次回ご持参ください〉──。先日、風邪をこじらせた日刊ゲンダイ記者が自宅近くのクリニックに行くと、受付には、そう大書された厚労省の1年前のチラシが張られていた。〈12月2日時点で有効な保険証は最大1年間有効です〉との注意書きが添えられていたが、正確には「2024年12月2日時点」。今年12月2日以降は現行の保険証が期限切れになるため、マイナ保険証への移行を呼びかけたものだ。
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しかし、である。期限切れが続出する直前の今になって、厚労省は慌てて「特例措置」を発出。期限切れの保険証について、資格情報を確認できれば来年3月末まで保険診療を受けられるとの方針を打ち出した。今年7月に期限切れを迎えた国民健康保険や後期高齢者医療制度と同様の措置で、要するに現行の保険証を“延命”したのだ。
もっとも、被保険者にとって悪い話ではない。医療機関の窓口でマイナ保険証や現行の保険証の代わりとなる資格確認書を持参しておらず、期限切れの保険証しか持っていなくても保険診療を受けられるからだ。

















