「炭火焼きで香ばしく減塩で体にもよい」インパクトありそうな言葉なのに意外に伝わりにくい理由
メッセージは一点集中
タイトル、見出し、キャッチコピー、件名、商品・サービス名称ーー。中身よりも前に相手に触れる「最初の言葉」の良し悪しで、その後の反応が変わることがある。短い言葉で心をつかむために押さえておきたいことの一つが「メッセージは一点集中」ということ。
Web編集者として7000本超の記事タイトルを考案し、数万本に及ぶアクセス傾向の分析から「短い言葉で心をつかむ法則」を体系化した武政秀明氏の著書『22文字で、ふつうの「ちくわ」をトレンドにしてください』(サンマーク出版)から一部抜粋、再構成してお届けする。
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私がウェブメディアで経験したことですが、「光と影」「成功と失敗」といった主旨が2つに分かれるタイトルは、反応が弱い傾向がありました。なぜでしょうか。
目にした相手は瞬時に「自分にとって必要な情報かどうか」を判断します。しかし、2つの異なる主旨が並んでいると、「結局、何についての話なのか」がわからず、判断を保留してしまうのです。
メッセージは「一点集中」に尽きます。
たとえば、次のようなランチメニューの看板があったとします。
「炭火焼きで香ばしく減塩で体にもよいハンバーグ」
この一文は、
・味がいい
・健康にいい
の2つの結論に力が分散しています。
すると、相手は「結局、味なの? 健康なの?」と迷ってしまいます。
では、次はどうでしょうか?
【結論を1つに集中した例】
美味しさに焦点:「炭火焼きの香ばしさが自慢のハンバーグ」
健康に焦点:「【減塩】パン粉代わりに豆腐を入れたハンバーグ」
美味しさに焦点を当てて「炭火焼きの香ばしさが自慢」とあれば、ハンバーグを焼く匂いなどを思い出して、自分も食べてみたいな、という感情が湧いてきます。
健康に焦点を当てて「減塩」とあれば、「高血圧だと医者に言われたな」と感じた人が行ってみたくなるかもしれません。


















