エアコンの温度問題「相手の設定にイラッ」が6割…夫婦の溝を埋める寝室のアレンジ
掛け布団は1つをやめ、好みで変える
キム氏が重ねる工夫の中に、寝室のエアコン温度問題をひもとくヒントが見えてくる。キム氏に聞いた。
「寝室のエアコンの温度問題は、どちらかが譲歩するしかありません。しかし、工夫のひとつは、掛け布団にあると思います。ダブルベッドはそのまま使うとしても、暑い時季は掛け布団を夫婦それぞれの好みのものを使うことにするのです。もし寒がりな妻の適温に合わせて設定温度を上げた場合、掛け布団を夫婦で同じものをダブルで使うと、暑がり夫に暑過ぎるでしょう。だから、寒がりな妻用に厚めの掛け布団、暑がりな夫用に薄めの肌掛けといった具合にするとよいと思います」
言われてみると、当たり前のことだが、1つのダブルベッドに枕を2つ並べて、同じ掛け布団をかけて寝る。それが寝室であるべき“夫婦の姿”という固定観念にとらわれていると、意外と盲点かもしれない。
記者の周りには、寝室を共にする寒がり夫と暑がり妻がいて、夫は妻の低すぎるエアコン設定を嫌う。この夫婦も、「寝室は絶対一緒」という妻の考えがベースにあり、ベッドも布団も夫婦で同じものを使用している。キム氏の話を夫に伝えると「それはいい!」と帰宅して妻に伝えたところ、「ベッドが一緒なら掛け布団は別々でもいいと応じてくれた」と翌日、笑顔で語っていた。ちなみに、“ゴザ寝”はベッドを離れることから却下されたそうだ。
ちょっと古いが、2015年に行われた「SUUMO生活に関する調査」はパートナーと同居する子どものいない男女340人を対象にエアコンの設定温度についても質問。相手の温度について不満アリは全体で12.6%で、男性の場合、不満を感じている多くは40、50代だった。長く連れ添うと、エアコンの設定温度については妻の決定権が強くなるのだろうか。そんな傾向も見えてくるという。
■いびきの騒音もあれば、寝室のそのものを別に
「寝室のエアコンの温度問題は夫婦の快適さだけでなく、それぞれの健康につながる切実な要素も含まれます。温度でどちらかが譲歩し、さらに寝室の温度環境を改善する工夫もできないなら、寝室を分けるしかありません。都市部の狭いマンションでは、夫婦の寝室を分けることも簡単ではありませんが、これも可能性はゼロではありませんよ」
まず子どもがいて独立した、あるいはもうすぐ独立する。そんなケースなら、子ども部屋を夫婦いずれかの寝室にすればいいだろう。たとえ子どもがいなくても、寝室を分けることは可能だという。
「たとえば、同じ寝室で寝ていた夫婦がエアコンの温度問題をめぐって話をした結果、夫はリビングで、妻は寝室で寝るという結論に至るケースはよくあります。特にエアコンの温度問題に加え、いびきの騒音問題が重なる夫婦は、寝室を分けることをお勧めします。お互いに快眠できれば、体力も回復して、トラブルの種は一つ減ることになります。エアコンの温度問題やいびきの騒音問題などでギクシャクしていたころよりも、夫婦仲がよくなりますから。夫婦ともに更年期になると体質が変わるので、温度問題や騒音問題をキッカケに寝室についてよく話をしておくことが大切です」
実は、キム氏は寝室の環境だけでなく、寝室に入るまでの行動も見直したという。そのひとつが入浴だ。
「床に就く2時間以上前までに湯船にしっかりと体を沈めて入浴を済ませます。入浴で体温を上げてから、下がっていく状態が入眠を誘うように体はできているので、その状態をつくるのです。暑がり男性の体温が入浴後などで高い状態だと、どうしてもエアコンの温度を下げようとします。それがエアコンの温度問題に影響するケースもありますから、暑がり男性は体温が下がるときに寝室に入るようにするため、入浴直後に寝るのを改めて、入浴から2時間後くらいに寝ることが大切です」
本格的な暑さを迎える前の今こそ、エアコンの温度問題について、夫婦で話をするチャンスだ。



















