船内に入れない、ただ海から見るだけなのに…それでも満席!「ちきゅう鑑賞クルーズ」レアアース採取で人気高まる
埠頭に停泊する巨大船を海側から見上げる不思議な体験
午後5時、遊覧船は清水港を出港した。この日はクルーズのもう一つの見どころである富士山が雲に隠れ、姿を見ることはできなかった。それでも夏休みとあって船内は親子連れを中心ににぎわっていた。
船は三保半島の先端へ向けて進み、出港からおよそ10分。興津埠頭に停泊する「ちきゅう」の巨大な姿が見えてきた。
さらに10分後、船は「ちきゅう」のすぐ近くまで接近する。ガイドが船の役割や掘削能力、全長などを解説する中、乗客たちは一斉にカメラを向けた。陸上から見上げるのとは違い、海上から眺める船体は圧倒的な存在感だ。埠頭に停泊する巨大船を海側から見上げる体験は、どこか不思議な感覚でもある。
しばらく見学したあと、船は向きを変えて清水港へ。その帰路では、野生のイルカの群れが姿を見せる思わぬサプライズもあった。出港からおよそ1時間で無事に帰港し、「ちきゅう」に加えてイルカまで楽しめる、思いがけずぜいたくなクルーズとなった。
参加者に話を聞くと、「2月のレアアース採取のニュースを見て興味を持った」という人が目立った。一方で、「中はどうなっているの?」「実際に乗ってみたい」と、船内公開を望む声も数多く聞かれた。
実は2019年までは、一般向けの船内見学イベントが実施されていた。しかし、新型コロナウイルスの影響で中止となり、その後は再開されていない。現在、一般の人が「ちきゅう」の内部に入る機会はほとんどない。その希少性もまた、このクルーズの人気を支える理由の一つなのだろう。レアアース採取によって「ちきゅう」への関心が高まる中、一般公開の再開を期待する声は、今後さらに大きくなりそうだ。
(取材・文=三浦徹/ライター)
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