ウェルビーイングな社会と生き方…資本主義の限界が露呈する時代こそ「幸せ」考えるべき

公開日: 更新日:

 政治、企業経営から芸能まで日本社会の悪弊が露呈し、経済面では格差が拡大。人々の価値観が大きく揺らいでいる。そんな時代にあって幸福度が改めて注目されている。ウェルビーイング研究の第一人者、慶応大学大学院教授の前野隆司氏を直撃した。

  ◇  ◇  ◇

──社会の激変で価値観が揺らぐ中、ウェルビーイング、幸福度の追求が注目されています。

前野 経済の面から見ると、貧困は幸福度を下げるんですけど、大金持ちになっても実はそんなに幸せにはならない。格差が拡大すると多数の不幸せな人と、それほど幸せじゃないのに富を独占する人がいる状況が生じます。それが原因で紛争や戦争などいろんなことが起きるわけですから、現代社会ははっきり言って不幸な時代、資本主義の限界がきていると思います。

 そうした中で、心の幸せの研究が進んできました。分かりやすい例で言うと、孤独であるよりも人と話をして励まし合った方が幸せなわけです。昔の村社会は、みんな長屋に住んでいて貧しいけど励まし合い、そこに幸せがあった。現代は、核家族化が進み、終身雇用は崩壊し、個人が責任を負うという不幸な状況になっている。だからこそ、経済制度と心の面を含めて幸せということを考えなければいけない時代なんですね。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  2. 2

    巨人・桑田二軍監督の電撃退団は“事実上のクビ”…真相は「優勝したのに国際部への異動を打診されていた」

  3. 3

    クマ駆除を1カ月以上拒否…地元猟友会を激怒させた北海道積丹町議会副議長の「トンデモ発言」

  4. 4

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  5. 5

    クマ駆除の過酷な実態…運搬や解体もハンター任せ、重すぎる負担で現場疲弊、秋田県は自衛隊に支援要請

  1. 6

    露天風呂清掃中の男性を襲ったのは人間の味を覚えた“人食いクマ”…10月だけで6人犠牲、災害級の緊急事態

  2. 7

    高市自民が維新の“連立離脱”封じ…政策進捗管理「与党実務者協議体」設置のウラと本音

  3. 8

    阪神「次の二軍監督」候補に挙がる2人の大物OB…人選の大前提は“藤川野球”にマッチすること

  4. 9

    恥辱まみれの高市外交… 「ノーベル平和賞推薦」でのトランプ媚びはアベ手法そのもの

  5. 10

    引退の巨人・長野久義 悪評ゼロの「気配り伝説」…驚きの証言が球界関係者から続々