川崎市「公園禁煙化」に見る分煙の未来(中)公園の利用実態や規模に応じて柔軟に対応

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 今年7月から公園内での喫煙が「原則禁止」となった川崎市だが、市内18カ所の公園には喫煙スペースが設けられている。なぜ、このような運用ルールになったのか、川崎市役所の担当者に話を聞いた。

「隣接する横浜市が今年4月から公園内の完全禁煙を実施した。その動きが影響したことは間違いありません。ただ、公園の数や人口などが違うので、公園内での禁煙は川崎市の実態に合ったやり方で進める必要があると思いました」(川崎市建設緑政局・緑政部みどりの管理課)

 市民アンケートやパブリックコメント、公園愛護会や市議会議員らとの意見交換などの結果から、独自のルール作りが進められていった。

「ひと口に公園といっても、実際はさまざまな使途、形態があります。日頃お子さんを遊ばせる住宅街の公園では、受動喫煙やたばこの火などによるケガを防ぐために完全禁煙にした方が利用者は安心でしょう。一方、等々力緑地や富士見公園など市外からもわざわざ訪れるような大きな公園は少し事情が変わってくる。長時間滞在が基本で、家族の中に喫煙者がいるケースも少なくないため、喫煙スペースがあった方が過ごしやすいという意見がありました。面積が広いので、動線をしっかり区切れば受動喫煙を防止することも可能です。また、繁華街にある公園はこれまで喫煙場所として利用されてきた経緯もあり、いきなり完全禁煙にすることのデメリットも考えられました」(緑政部みどりの管理課)

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