高円寺「アール座読書館」静謐が売り物の店ならではの苦労

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 喫茶店なのに、店名は「アール座読書館」。店の中では私語厳禁。取材対象としては極めて興味深いが、「きっと偏屈なオーナーなのだろうなあ」と身構えて足を運んだ。実際は真逆で、オーナーの渡辺太紀さん(写真)の飾ることのない話は、非常に印象深いものがあった。

 渡辺さんは喫茶店について、「1人で入って、本でも読みながら、自分と向き合う場所」として利用してきた。しかし、ほかの客の会話や食事の音は、どうしても耳に入る。「数は少ないかもしれないが、喫茶店に自分と同じように静謐な空間を求める人がいるのではないか」という思いが、アール座読書館を開いたきっかけだ。

 風変わりな店を開くことについて、「最初は不安でした」と渡辺さんは言う。詳しく聞けば、「確かにそうだろうな」と思わずにいられない。

 店内は観葉植物や水槽が所狭しと並ぶ。9つあるテーブルに同じものは一つもなく、吟味に吟味を重ねて購入した形跡がうかがえる。客は約1000冊に上る渡辺さんの蔵書を読むことができるが、それも手に取りやすいようにレイアウトされている。相当凝ったつくりだ。

「普通、喫茶店を開くのに内装にかける時間は1カ月くらいですが、半年かかってしまいました」

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