REIT市場の暴落と在宅勤務が不動産市場にもたらす影響とは
新型コロナウイルスによる外出やイベントの自粛、サプライチェーンの停滞を引き金に、株式市場が大暴落している。あらゆる資産が換金売りされている中、REIT(不動産投資信託)の中には、この短期間で50%以上下落したものもあり、売りが続く印象は拭えないREITの主な投資先は、オフィス、ホテル、賃貸住宅、物流倉庫だが、この暴落が日本の不動産市場の行方をあぶり出しているという。
■これから需要が減るのはホテルかオフィスか
「物流に関してはネット通販の利用増によって全国で拠点が増加傾向ですが、需要が大幅に減ることはないでしょう。インバウンド(訪日客)は2月が60%近く減少し、3月はそれを上回るはずで観光需要がすぐに戻るとは考えにくい。終息すれば都市部を中心に供給過多といわれる宿泊施設もある程度戻ると思います。物流、ホテルより危惧されているのがオフィスです。ここ数年、都心を中心に大型オフィスの供給が続いたにもかかわらず、平均賃料は高止まりし2%を下回る空室率で極めて好調でした。しかし今後、在宅勤務が定着すれば、オフィスは必要最低限でいいという流れになるからです」(不動産コンサルタント)