「雪印メグミルク」の会社としての“骨密度”は大丈夫なのか?
6月18日付の『朝日新聞』にこの会社の全面広告が折り込まれていて、雪印乳業との関わりを思い出した。2011年に日本ミルクコミュニティと統合して現在の社名になっている。
筆頭株主は全国農業協同組合連合会で13・0%。次に農林中央金庫の9・5%が続く。
私は原則として1社主催の講演会は引き受けないことにしてきた。すべての企業に対して負い目のない距離を保ったからだ。ただ社長の三澤千代治に共感したミサワホームとか、財テク拒否の姿勢を貫いた山中鏆が社長だった東武百貨店とかは例外的に講師となった。雪印乳業の幹部研修の講師を受けたのは、どういう理由だったかはわからないが、もちろん、こういう話はしないで下さいとかの注文はなかった。その時、私は集団食中毒事件の際に「俺は寝ていないんだ」と記者に答えて失笑を買った社長の石川哲郎にも合っている。講演で私はかなり厳しい企業批判をしたはずだが、彼らに拒否反応はなかった。そうした経緯があるから言うのではないのだが、雪印であの中毒事件が起こるのなら、日本の他の企業で同じようなことがいつ起こっても不思議ではない。現場を知らずに、あるいは知ろうともせずに後手後手の対応をした石川が特にひどい社長であるわけではなく、残念ながらほとんどの社長がそうである。