資生堂(上)生産の国内回帰を鮮明に アジアへの輸出拠点の福岡久留米工場が稼働
資生堂は工場の日本回帰を進めている。
福岡県久留米市に新設した工場が5月26日、報道陣に公開された。中価格帯のスキンケア製品「エリクシール」や「アクアレーベル」を中心に生産。2026年以降に生産能力を年間で最大約1億4000万個まで引き上げる。まず500人体制で操業を始め、フル稼働時点で1000人が働く。
同工場に450億円を投下した。駐車場に太陽光パネルを設置し、施設内で利用する電力は100%再生可能エネルギーを用いる。23年以降に工場見学ができるようにする。
最先端のIoT(モノのインターネット)テクノロジーを導入した。自動制御できる設備を化粧品業界で初めて実現。化粧品の充填に最新鋭のロボットを使い、リニア駆動の梱包装置を採用して、生産性を既存設備の3倍に高めた。
魚谷雅彦社長兼CEOは、福岡久留米工場の竣工に際し、「日々進化しているIoT技術を取り入れ、生産性が最も高い工場を目指した。中価格帯のスキンケアブランドを中心に製造を始め、製造した化粧品は国内だけでなく海外にも届けていきたい」と抱負を語った。