重道武司
著者のコラム一覧
重道武司経済ジャーナリスト

1957年鳥取県倉吉市生まれ。84年フジサンケイグループ傘下の経済紙「日本工業新聞」(現フジサンケイビジネスアイ)の記者となり、千葉支局を振出しに鉄鋼、自動車、総合電機、財界、金融、エネルギー(電力・石油・ガス)などの業界を担当。2000年外資系通信社に転じた後、02年からフリーに。得意分野は通信社時代を含めて在籍足掛け7年にも及んだ日銀記者クラブ時代に人脈を培った金融。自動車業界にも強い。

東芝旧経営陣は胸中複雑…1ドルで売った米ウエスチングハウスをカナダ企業が1兆円で買収

公開日: 更新日:

 東芝旧経営陣らからすると何とも複雑でやり切れない思いだろう。

 同社を「地獄へ誘った」(関係者)とされる元子会社で原子力発電設備大手の米ウエスチングハウス(WH)が、カナダのウラン採掘・生産会社「カメコ」を中核とする企業連合に買収されることが決まった。対価はWHの負債引き受け分も含めて78億7500万ドル(1兆1600億円)。東芝は2018年、WH向け債権9100億円を7割超引きの2400億円で投げ売り、保有株に関しては実質無償譲渡(売却額1ドル)を強いられている。

 そのうえWH破綻で被った巨額損失を穴埋めするため“虎の子”とされていたメモリー事業の売却を余儀なくされ、経営の混乱はいまなお収まらない。東芝OB幹部からは「理不尽かつ不条理」との嘆き節も漏れる。

 当時のレートで約6000億円(54億ドル)という巨費を投じて東芝がWHを子会社化したのは06年のこと。しかし東日本大震災を機に脱原発の流れが強まりWHの事業環境は急速に悪化。北米で進めていた原発の建設コストが跳ね上がるなどして損失が膨らみ、17年3月には連邦破産法第11条の適用を申請して経営破綻に追い込まれた。

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