食糧危機に「無防備」なのは日本だけ…米国が穀物輸入国に変わると需給面に大ダメージ
表面的な事象ばかりにとらわれていると、本質(大きな流れ)を見失う恐れがある。
1970年代の2度のオイルショック(石油危機)は1973年の第4次中東戦争、79年のイラン革命がきっかけになったと、これはだれもが知っている。
しかし、意外に理解されていない事実がある。実は、現在のアメリカは原油、天然ガスの主要輸出国(シェール革命の効果)だが、70年代には一時的に輸入国に転落している。これが需給を悪化させたのは明白だろう。
今後、穀物市況(大豆、小麦、トウモロコシなど)、食品価格(パン、肉類など)が高騰する可能性がある。穀物輸出大国のウクライナ、ロシアの長引く戦争が主因か。
いや、それだけではない。何と、アメリカが2023年には穀物輸入国に変化する(米農務省)というのだ。輸出国が輸入国に変わる。これは需給面に大きなダメージを与えるだろう。怖い話である。
先進国(イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリアなど)の多くは原則として食料を自給できる。まったく「無防備」なのは日本だけだ。日本は食料危機にどう対応するつもりなのだろうか。