岸田首相の「黒田切り」明言が波紋呼ぶ…日銀総裁人事で“安倍派分裂”待ったなし

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「脱アベノミクス」が“派内抗争”の引き金に

 アベノミクスの終焉は間近だが、この状況にピリピリしているのが、自民党内最大派閥の安倍派(97人)だ。安倍元首相シンパだから、脱アベノミクスだけは許せないようで、文句をたれまくっているという。

「派閥所属議員から『総裁は黒田さんのような人でないとだめ』『大規模緩和に積極的なリフレ派を起用しないなら、黙っていられない』といった声が上がっている。幹部の世耕参院幹事長は昨年末、日経新聞のインタビューで次期総裁に求める資質として『緩和姿勢を継続できることが大前提だ』と言っていたほどです」(永田町関係者)

 しかし、安倍派内も緩和派、リフレ派ばかりではない。今後、緩和派VS慎重派の対立が先鋭化し、分裂する可能性もある。安倍派所属議員が言う。

「リフレ派、積極緩和派は声がデカいから、彼らの意見がまるで安倍派の総意みたいになっているけど、決してそんなことはない。慎重派との比率は半々くらいですよ。防衛費増の財源論を巡っても、『国債発行すべし』と声高に言っている人がいるが、本当にいいかげんにしてほしい。あおりすぎると、下手すれば意見対立が深まり、安倍派は分裂しかねませんよ。もうちょっと静かにしてもらいたい」

 安倍元首相亡き後、派閥は衆目の一致する会長候補が不在で、空中分解の可能性がささやかれてきた。日銀人事が“派内抗争”の引き金になるかもしれない。 

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