小沢コージ
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小沢コージ自動車ジャーナリスト

雑誌、web、ラジオ、テレビなどで活躍中の自動車ジャーナリスト。『NAVI』編集部で鍛え、『SPA!』で育ち、現在『ベストカー』『webCG』『日経電子版』『週刊プレイボーイ』『CAR SENSOR EDGE』『MONOMAX』『carview』など連載多数。TBSラジオ『週刊自動車批評 小沢コージのカーグルメ』パーソナリティー。著書に『クルマ界のすごい12人』(新潮新書)、『車の運転が怖い人のためのドライブ上達読本』(宝島社)、『つながる心 ひとりじゃない、チームだから戦えた 27人のトビウオジャパン』(集英社)など。愛車はBMWミニとホンダN-BOXと、一時ロールスロイス。趣味はサッカーとスキーとテニス。横浜市出身。

新マツダ2はスペック変えずデザインで勝負 9年目のオシャレ革命で本当に売れるの?

公開日: 更新日:

マツダ2 15 BD(車両価格:¥1,647,800/税込~)

「元々マツダ2は骨格がしっかりしてるクルマなのでそこに今回手は付けません。後は“好きを探せる相棒”というテーマで選ぶ楽しさを味わって頂きたいと」(マツダ2開発担当の水口浩司さん)。

 昨年新型CX-60でこの電動化の時代に新6気筒エンジンと新骨格で勝負する大胆チャレンジを敢行したマツダ。だが今年は今年で他にはないレアな商品戦略に挑むようだ。

 それは3月発売の大幅商品改良マツダ2。元々「デミオ」の名前で売られていたコンパクトカーで、2014年発売の4代目の時代、2019年の商品改良と共に「マツダ2」に改名。

 さらに現行型になって9年目の今年、大幅改良を受けるわけだが、その内容を聞いてビックリ。2019年の改良以来、110psの1.5ℓガソリンも105psディーゼルもエンジンスペックに変更はなく、サスペンションやボディ構造、先進安全など基本ハードウェアは不変。しかしその代わりに商品構成と内外装を大胆に変えてかつてないファッショナブル展開に持ち込む。言うなれば“マツダ2オシャレ革命”を敢行するからだ。

洋服を着替える感覚でカラーチョイスが可能に

 新グレード構成はざっくり3つ。従来からのクルマ好きに応えるメッシュグリルの「SPORT」、人気の高かったプラチナクォーツ外装やホワイト内装特装車を定番化した「サンリットシトラス」、さらに今回の最大のキモとなる新グレード「BD」だ。これはスケボー用語のブランクデッキから取ったもので“白いキャンバス”のような意味。オーナーの好みで自由にグリルやルーフやミラーやホイール色が選べ、198通りのカラーコーディネートが楽しめるというのだ。

 中でもBDのキモは樹脂パーツをハメ込んだパネルグリル。グリル上下を薄型化し、パネルをハメ込んだEVのようなデザインだが、ボディ同色パネルはもちろん白と黒も選べる。他にも前後に黄色やオレンジの差し色も選べて、まさに洋服感覚でチョイスが可能。

 インテリアもアナログメーターや8インチディスプレイに変更はなく、代わりに質感の高いバイオエンプラを使った樹脂パネルでオシャレ度アップ。

狙いはファッショナブルなヤング層

 聞けばこれまでマツダ2はディーゼルパワーや走りの良さをアピールし過ぎて「クルマ好きのコンパクトカー」というイメージが付いていた。そこで今回は走り屋をSPORTグレードえ抑えつつ、オシャレに選べるBDでファッショナブルなヤング層を狙うつもりなのだ。

 特にBD推奨パッケージとして展示されてた「ルーキードライブ」はカッコいい。ボディ色はエアストリームブルーで差し色はレーシングオレンジ、グリルやルーフはホワイトをチョイス。インパネ樹脂パネルもボディ同様のブルーでちょっとしたプチイタリアンスポーツコンパクトのよう。

 確かに既存マツダ2ユーザーにしてみれば、新型は速くもなってないし広くもなってないと思うかもしれない。だがその分価格はBDベースグレードのガソリンモデルが164万円からと据え置きで、基本的な広さや先進安全機能は備えている。ディーゼルならばモード燃費もリッター21km以上と文句ナシ。

 スペック変えずにデザイン変えろ! のオシャレ&ファッショナブル勝負に出た新型マツダ2。これはこれで見ものではないだろうか。

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