社長逮捕のSODが陥った苦境…コロナ助成と不動産売却で決算を繕うも万事休すか
東京・歌舞伎町の飲食店で、無許可で女性従業員の接待を伴う営業をしたとして、警視庁保安課は16日までに、風営法違反(無許可営業)の疑いで、アダルトビデオ(AV)制作販売会社「ソフト・オン・デマンド」(SOD)の社長井口翔容疑者(40)=東京都墨田区横川=ら2人を逮捕した。
井口容疑者は「AV女優と飲める」「おとなのテーマパーク」などとうたい、飲食店「SOD LAND」を経営。同社のAVに出演する女性らが接待をしていた。約600人が所属し、毎日15人程度が出勤していたという。
井口容疑者は2004年に日大を卒業し、SODに入社。AV監督として経験を積んだ現場上がり。マジックミラー1号作品などを手掛け、21年5月に社長に就いた。「エロをあたりまえのことにする」というのが井口氏の経営ビジョンだ。
SODは、1995年12月18日に日本テレビ系列会社の出資を得て、資本金4000万円で、東京・渋谷に設立された。創業者は高橋雅也氏で、現在も同社の大株主となっている。
本業のAV事業に加え、飲食店事業に進出。同社の強みである所属女優・男優の知名度を生かした「AV女優・男優に会える」居酒屋・コンセプトカフェの出店を2018年3月期から開始しており、同年5月に「女子社員酒場」、19年5月に「Syain Bar」、20年10月には東京都新宿区歌舞伎町のビル1棟を借り上げて「SOD LAND」をオープンするなど、既存事業とコラボした新規事業に力を入れていた。