YKK 猿丸雅之会長(1)大企業では極めて珍しい定年制度廃止に踏み切った理由

公開日: 更新日:

 YKKは、ファスナーのトップブランドだ。ファスナーといえば、衣料などのファッション分野で馴染みが深いが、それだけではない。

 宇宙服や明石海峡大橋の排水溝に採用されている水も空気も通さないファスナーなど、さまざまな用途に応じた特殊ファスナーを提供している。

 海外にはいち早く進出、9年前には開発・生産拠点である富山県黒部市に本社機能の一部移転を行うなど進歩的な気質を持つ同社であるが、2021年には国内事業会社の定年制度の廃止に踏み切った。

 超高齢社会を迎え、定年延長や役職定年制の廃止を決める企業は増えている。定年制度を廃止した中小企業も現れている。しかし、大企業での定年廃止は極めて珍しい。

「当社は世界72カ国・地域で事業を展開しており、その中には定年という概念がない国はたくさんあります」と、猿丸雅之(72)は語る。

 仕事に対する意欲や健康状態には個人差がある。同社ではそれを一律、年齢という基軸で切っていいのかという議論を重ねてきた。定年廃止によって出てくる弊害も研究したうえでの結論だった。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    映画「国宝」ブームに水を差す歌舞伎界の醜聞…人間国宝の孫が“極秘妻”に凄絶DV

  2. 2

    「時代と寝た男」加納典明(22)撮影した女性500人のうち450人と関係を持ったのは本当ですか?「それは…」

  3. 3

    輸入米3万トン前倒し入札にコメ農家から悲鳴…新米の時期とモロかぶり米価下落の恐れ

  4. 4

    くら寿司への迷惑行為 16歳少年の“悪ふざけ”が招くとてつもない代償

  5. 5

    “やらかし俳優”吉沢亮にはやはりプロの底力あり 映画「国宝」の演技一発で挽回

  1. 6

    参院選で公明党候補“全員落選”危機の衝撃!「公明新聞」異例すぎる選挙分析の読み解き方

  2. 7

    「愛子天皇待望論」を引き出す内親王のカリスマ性…皇室史に詳しい宗教学者・島田裕巳氏が分析

  3. 8

    TOKIO解散劇のウラでリーダー城島茂の「キナ臭い話」に再注目も真相は闇の中へ…

  4. 9

    松岡&城島の謝罪で乗り切り? 国分太一コンプラ違反「説明責任」放棄と「核心に触れない」メディアを識者バッサリ

  5. 10

    慶大医学部を辞退して東大理Ⅰに進んだ菊川怜の受け身な半生…高校は国内最難関の桜蔭卒