ASNOVA 上田桂司社長(1)足場レンタル事業で急成長 老朽化マンション“20年後に3.5倍”予測で高需要
近年、マンションの老朽化が社会問題になっている。国土交通省の推計によると、2022年末時点での日本のマンションストック総数は約694.3万戸。このうち、2割弱にあたる125.7万戸は築40年を超えているという。
老朽化マンションを放置すると、建物の劣化や設備の不具合が起きて事故につながる可能性が高まり、資産価値も低下する。つまり、定期的な修繕や改修が不可欠。一般的に12~15年の周期で修繕が行われるが、その工事を支えるのが高所作業を行う際の床や通路となる「足場」である。
「当然ながら築40年以上のマンションは年を重ねるごとに増加します。約20年後の2042年には現在の約3.5倍の約445万戸にも及ぶ見込みです」
そう話すのは、愛知県名古屋市に本社を構え、くさび式足場(くさび緊結式足場)のレンタル事業を展開する株式会社ASNOVA(アスノバ)の代表取締役社長・上田桂司氏。マンションの修繕・改修のみならず、戸建て住宅のリフォームや自然災害の復興・復旧作業においても足場、特にくさび式足場の需要は増える一方だという。また、近年の鋼材価格高騰に伴い足場施工業者が購入から一時的に利用できるレンタルへ移行している背景も需要の追い風となっている。
2013年に創業したアスノバは、22年に名古屋証券取引所ネクスト市場、23年には東京証券取引所グロース市場に上場している。このことからも社会の注目度の高さがうかがえるが、上田氏はどのような経緯で「足場」に商機を見いだしたのだろうか。
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