著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

経団連の会長人事(上)後継レースは「ソニー吉田憲一郎会長」を軸に置くという説

公開日: 更新日:

 日立の東原氏は財界活動に熱心。任期満了を待たずに亡くなった中西前会長の衣鉢を継ぐという話になれば、経団連にとっても日立にとっても悪い話ではない。ただ、日立出身の会長が短期間のうちに続けば、「十倉さんは他社から激しい突き上げを食らう。中西さんの後継という以外に東原さんに“切り札”がないのが弱いところだ」(経団連関係者)。

 十倉さんは大勢に順応するタイプといわれている。流れを見て、それから札を入れても遅くないと考えているのかもしれない。誤解があるといけないので書いておくが、「その一方で、筋は通す頑固な一面もある」(前出の経団連関係者)。

 今年、副会長になったソニーの吉田会長は「十倉さんが副会長になってもらいたいと特に口説いたスペシャルカードだ」(十倉氏に近い経団連幹部)。吉田副会長に経団連の企業行動・SDGs委員会の委員長を任せたことでも、期待の度合いは分かろうというものだ。このテーマは十倉氏が重視しているものだ。

「会長レースは吉田氏を中心に動くだろう」と予想する財界人が増えている。

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