三井化学の子会社を略式起訴…不正タネ販売、意図的に種子混合の悪質 やっぱり「種子法廃止」は間違い

公開日: 更新日:

 種子法廃止違憲訴訟弁護団の共同代表でもある山田正彦元農相らが、不正種子を供給したとして刑事告発していた「三井化学クロップ&ライフソリューション」について、東京区検察庁は種苗法違反で略式起訴した。起訴は今月21日。

 同社はコメの品種「みつひかり」について、2016年から23年の長期にわたり、生産地や品種の異なる種子を混入させたり、発芽率について虚偽表示を行って販売していた。意図的に種子を混合させる悪質な行為で、稲作農家のみならず、流通業者や消費者に影響を与えたことになる。

 同社は「刑事処分という事態を非常に重く受け止め、二度とこのような事態を招かぬよう、全社を挙げて社内ガバナンスの強化に取り組んで参ります」とのコメントを出した。

 この一件は、行政にも責任がある。18年の種子法廃止時、農水省が民間品種の代表として推奨したのが、この「みつひかり」だった。

 刑事告発した山田氏らは、「本件事案の重大性に鑑み、略式起訴処分とされたことは大きな意義がある」「同社に対し、再発防止や厳格管理を求める」としている。

 さらに、国に対しても「『民間品種が優れていることから民間の種子事業への参入を図る』という種子法廃止法の立法事実が誤りであったことは明確で、種子法の復活を求める」としている。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1

    進次郎農相の「500%」発言で抗議殺到、ついに声明文…“元凶”にされたコメ卸「木徳神糧」の困惑

  2. 2

    進次郎大臣は連日の視察とTV出演で大ハシャギ…ムチャぶりされる農水省は“ブラック企業化”のお気の毒

  3. 3

    ドン・キホーテが進次郎農相に異例の「直訴」…コメ流通は消費者ファーストではないのか? 識者が解説

  4. 4

    三井化学が石油化学事業を分社化…その先で描くのは過剰な同業他社との再編だ

  5. 5

    大阪万博は値下げ連発で赤字まっしぐら…今度は「駐車場料金」を割引、“後手後手対応”の根本原因とは

  1. 6

    自公政権の無策で失われていく庶民の味…「カレー」「ラーメン」「焼き肉」「洋菓子」「ステーキ」すべて倒産件数最多

  2. 7

    6月15日に開催G7サミットはトランプ関税で「会議は踊る、されど進まず」状態に

  3. 8

    進次郎農相「コメ卸業者が営業利益500%増」発言で飛び交う「価格カルテル」疑惑と「コメの先物取引」で懸念されていたこと

  4. 9

    「プーチン心停止で影武者代行」情報…訪中大失敗のストレス、ロ国内に広がる大統領5選は無理の空気

  5. 10

    マツキヨココカラ×コスモス薬品 節約生活の味方ドラッグストア大手を比較

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?