増産に転換で付きまとう“コメ余り”…対策として政府がブチ上げる国産米「輸出拡大」の勝算は?
「まず何より、安価な海外産米との競合に勝つのは至難の業です。最近ではベトナム産米コシヒカリなども生産されており、競争相手も少なくない。それに、国産米は海外の硬水で炊くと芯が残るなどして、食味が変わることがある。こうした水の違いによる課題も残ります。取引先との信頼関係を維持するために、『今年は不作だったから輸出できない』なんてことは許されなくなる。本気で輸出量拡大を目指すなら、相当腰を据えて取り組む必要があります」
■粘り強い支援が必要
輸出販売を行う業者によっては、海外での営業の際に、国内の炊飯器と水をセットで提案するという。
「おにぎりや和定食といった食べ方では、海外でも国産米が好評を得ることが多いです。味の違いが分かる人には分かるということでしょう。国産米のおいしさを知ってもらうための宣伝活動なども含め、国には粘り強い支援が求められます」(別のコメ流通関係者)
輸出の拡大はコメ業界が長年取り組んできたこと。やはり、そう簡単な話ではないらしい。
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政府備蓄米が売れ残っている。小泉農相はどう対応するのか。●関連記事【もっと読む】8.31に「備蓄米販売リミット」が…進次郎農相は売れ残りにどう落とし前をつけるのか?』で詳報している。