増産に転換で付きまとう“コメ余り”…対策として政府がブチ上げる国産米「輸出拡大」の勝算は?

公開日: 更新日:

「まず何より、安価な海外産米との競合に勝つのは至難の業です。最近ではベトナム産米コシヒカリなども生産されており、競争相手も少なくない。それに、国産米は海外の硬水で炊くと芯が残るなどして、食味が変わることがある。こうした水の違いによる課題も残ります。取引先との信頼関係を維持するために、『今年は不作だったから輸出できない』なんてことは許されなくなる。本気で輸出量拡大を目指すなら、相当腰を据えて取り組む必要があります」

■粘り強い支援が必要

 輸出販売を行う業者によっては、海外での営業の際に、国内の炊飯器と水をセットで提案するという。

「おにぎりや和定食といった食べ方では、海外でも国産米が好評を得ることが多いです。味の違いが分かる人には分かるということでしょう。国産米のおいしさを知ってもらうための宣伝活動なども含め、国には粘り強い支援が求められます」(別のコメ流通関係者)

 輸出の拡大はコメ業界が長年取り組んできたこと。やはり、そう簡単な話ではないらしい。

 ◇  ◇  ◇

 政府備蓄米が売れ残っている。小泉農相はどう対応するのか。●関連記事【もっと読む】8.31に「備蓄米販売リミット」が…進次郎農相は売れ残りにどう落とし前をつけるのか?』で詳報している。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本ハムが新庄監督の権限剥奪 フロント主導に逆戻りで有原航平・西川遥輝の獲得にも沈黙中

  2. 2

    白鵬のつくづくトホホな短慮ぶり 相撲協会は本気で「宮城野部屋再興」を考えていた 

  3. 3

    DeNA三浦監督まさかの退団劇の舞台裏 フロントの現場介入にウンザリ、「よく5年も我慢」の声

  4. 4

    藤川阪神の日本シリーズ敗戦の内幕 「こんなチームでは勝てませんよ!」会議室で怒声が響いた

  5. 5

    佳子さま“ギリシャフィーバー”束の間「婚約内定近し」の噂…スクープ合戦の火ブタが切られた

  1. 6

    半世紀前のこの国で夢のような音楽が本当につくられていた

  2. 7

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 8

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  4. 9

    田原俊彦「姉妹は塾なし」…苦しい家計を母が支えて山梨県立甲府工業高校土木科を無事卒業

  5. 10

    プロスカウトも把握 高校球界で横行するサイン盗みの実情