ヴィレヴァンが2年連続赤字で81店舗を閉鎖へ…効率化が裏目、ファン離れ加速
「遊べる本屋」として知られるヴィレッジヴァンガードが苦戦している。2025年5月期の売上高は250億円と前年と同水準にとどまる。営業利益は2年連続で9億円の赤字を計上した。さらに、業績回復が見込めない81店舗について、25億円の棚卸資産評価損と減損損失7億円を計上。これにより、最終損失は前年から30億円も膨らみ、42億円を計上した。
もっとも、同社の苦戦は今に始まったことではない。
「ヴィレッジヴァンガード」(ヴィレヴァン)は1986年に個人商店として開業。全国の商業施設などに出店し、06年には200店舗を達成。
サブカル系の書籍や雑貨を扱う店舗として若者の支持を集めた。
■ピーク時の半分以下に
しかし、14年5月期に400店舗を突破したのをピークに、縮小に転じ、25年5月期末時点では271店舗となった。今回の81店舗を閉鎖すれば、ピーク時の半分以下になる見込みだ。なぜ縮小が続くのか。
「ヴィレヴァンは、掘り出し物を探す場所だったが、消費者の行動が変化し、SNSで探してから実店舗に向かうのが一般的になった。地方では暇つぶしの場所としても機能していたが、これもSNSやスマホゲームに取って代わった」(流通関係者)