日銀は「10月利上げ」も市場に見透かされ…歯止めかからぬ“円安傾向”
金(ゴールド)の高騰が止まらない。国内販売価格の代表的な指標である田中貴金属工業の店頭小売価格が29日、初めて1グラムあたり2万円を超えた。米FRBが利下げを続けるとの見方が広がり、ドルの魅力が薄まる中、安全資産の金への需要が高まっている。
トランプリスクを抱えるドルだけでなく、円に対する不信感も根強い。
「資産として円を持っていても、円安によって価値の目減りは避けられない。それなら為替よりも安定した金に逃げ込み、資産価値を守りたいと思うのは当然です。また、金融緩和でダブついたマネーが行き場を失い、株や不動産よりもリスクの低い金に集中しているのでしょう。1グラム=2万円とは行き過ぎている感がありますが、それでも『まだ上がる』との見方が強い。資産を守る防衛的な動きとバブルのような過熱した買いあさりと、2つの側面が価格を押し上げています」(経済評論家・斎藤満氏)
■物価高はまだ続くのか
円安進行に身構えたリスクヘッジだが、1ドル=149円近辺をウロウロする円相場は今後どうなるのか。物価高に直結する円安傾向に歯止めはかかるのか。