自民党議員の一族が経営する病院が事業者に選ばれていた
広島の整形外科からスタートし、ここ20年ほどで全国に急拡大している医療法人「葵会」。傘下の「AOI国際病院」は、神奈川県川崎市にある。羽田空港から多摩川を渡り、川崎市に入ったあたりに位置し、このごろはやりの医療ツーリズムには、ちょうど良い立地なのかもしれない。
2014年、この「AOI国際病院」が、国家戦略特区の事業者に認定された。
「以前は国が運営する社会保険病院だったのですが、2012年に葵会が、厚労省の年金・健康保険福祉施設整理機構から60億円で払い受けた。慢性的な赤字の病院で一般病床利用率は50%を切っていたのですが、葵会が人員を補充し、心臓カテーテル、がん治療、人工透析、回復期リハビリなど、診療の幅を広げて黒字化に取り組んだ。そして2014年12月、循環器領域での最先端医療やがん免疫細胞治療、医療ツーリズムなどを実施する、東京圏の国家戦略特区の事業者として病床規制の緩和を認定されています」(医療ジャーナリスト)
理事長の新谷幸義氏は、業界では剛腕経営者として知られる人物だという。確かに経営手腕は素晴らしいかもしれないが、葵会の特区認定には、見過ごせないエピソードが付きまとう。加計学園の加計孝太郎理事長がそうだったように、新谷ファミリーも安倍首相と親しいのだ。