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若狭勝氏が語る新党構想 「代表は政治家とは限らない」

「輝照塾」はどうやって政治家の資質や適正を見抜くのか

 今月7日、「日本ファーストの会」という政治団体の立ち上げを発表し、政治を志す人々が学ぶ場として、「輝照塾」の創設を宣言した若狭勝衆院議員。もちろん、新政党への布石である。自民党に代わる受け皿を目指すというが、さて、何をやりたいのかがよく見えない。

――塾の立ち上げを表明されてから1週間くらい経ちますが、応募とかありましたか?
 1週間で、応募者は400人を超えました。

――そんなに? どういう方が?
 現職の地方議員から政治経験のない人まで、さまざまな立場の人がいます。反響は良いと実感しています。この中から200人くらいに絞っていきます。

――今後はどういう展開を考えているんですか?
 塾生の中から国会議員として資質、適性のある人をさらに絞り、その人たちを来るべき国政選挙で候補者に立てていく予定です。

――でも、国会議員にふさわしい人なんて、そうそういないでしょう? 「このハゲー!」に代表される安倍チルドレンの惨状を見れば分かりますよ。それに国会議員としての資質や適性をどうやって見極めるんですか?
 資質、適性がすぐに分かるかというと、難しい部分があると思います。自民党2回生議員の資質も、恐らく見極められなかったのでしょう。輝照塾では2時間の講義を計6回予定しています。前半の1時間は講師による講義、後半の1時間はグループディスカッションや論文を書いてもらう。実践的な講義を通じて、政治家としての資質を少しでもチェックすることは可能でしょう。

――それだけで分かりますかね?
 私が人格的なものも見抜いて、政治家としてふさわしい人物だけを候補者に立てる自信があるかといえば、言い難い。ただ、この人は人格的に問題があるのではないか、そういう視点、意識を持つことは重要です。学歴経歴の良し悪しだけでなく、性格や人柄を見る「もうひとつの目」を持つことが大切だと思っています。

――なぜ、このタイミングだったのか。今後の政局については、どう見ていますか?
 10月22日に総選挙がある可能性を踏まえ準備していく予定です。

――青森、新潟、愛媛の補選と同時選挙のシナリオですね? そうなると、全然時間がない。既存の政党の人も受け入れていく?
 現職の国会議員の人からは何人か電話をいただいたりしています。

――自民党も?
 具体的に自民党を離党して、というような話には至っていません。ただ地方議員や元職を含めて、自民党ではないところから(出たい)、という話はあります。現役の民進、元民進の議員の中には、具体的に協議をしている、またはこれから協議をしていく人もいます。

インタビュー動画①

「日本ファーストの会」は政党名にはならない

 若狭氏は民進党を離党した細野豪志氏との連携も取り沙汰されている。また小池百合子都知事との関係は今後どうなるのか。さらに“隠し球”は? 新党への構想を語ってもらった。

――先日、会われていた細野豪志さんもそのひとりでしょうね。具体的な話をしたんですか?
 2大政党制が必要であるとの意見・方向性は一致しています。地方自治をどうするか、受動喫煙はどう捉えるべきか、あるいは国政における情報公開・透明性はどうあるべきか、というようなところは意見が一致しましたね。私の頭の中には一致しなければならない項目が100以上あるんです。ただ、この100にも温度差があって、絶対一致しなければならない部分と、協議すれば解決できる点などいろいろありますね。

――国政選挙になった際、小池さんはどうなるんですか? 新党の代表ですか?
 小池さんは都政に力を入れているので、国政に関わったり、国政新党の代表を務めることはありません。ただ、古い政治を変えるという改革の志を全国に広げたいという思いを共有しているので、関わっていただける場合には、支援していただいたり、お力添えしていただくこともあるでしょう。

――となると現時点では若狭さんが代表、勝てば首相になるつもりで選挙を戦うおつもりですか?
 新党の代表は今のところ決まっていません。党代表・党首は、際立ったキャラクターであることが望ましいという点から検討することもあるでしょう。しかし、従来の政治を変えていかなければならない中で、政治をやってきた人だけが代表を務めなければならないということもありません。(政治家としての経験がない)フランスのマクロン大統領はじめ、世界の流れが変わってきているように思います。政治に深く関わっていなくても、これからの政治についてビジョンを明確に持って訴える人がいれば、その下で国政新党をつくって動くということもあり得るかなと思います。

――となると誰か隠し玉が?
「隠し球」はないです。

――それでは新党はどんな政策をやりたいんですか? 政治団体の名前は「日本ファーストの会」ですが、トランプみたいだと批判されています。国がファーストなのか、国民ファーストなのか。
「日本ファーストの会」が新しい国政政党の名称になることはありません。新しい政党をつくるときの大枠は「国民一人一人に光を当てる」ということです。国粋主義や国が先にありきというような考え方はとりません。国民の一人一人がファースト。これが我々が考えている新党の方向性です。

インタビュー動画②

自民党の政治とは「しがらみ」と「利権」だ

 元東京地検の検事で自民党を離党した議員である若狭氏は、自民党の政治をどう見てきたのか。加計・森友問題も含めて聞いた。

――若狭さんはもともと東京地検の検事で、自民党から出馬し、当選した。なぜ離党したのか?
 私は東京地検特捜部の検事でしたから、ふつうの人よりも、いや、他の国会議員よりも政治の深部を見てきました。自民党の政治には、特定の人や団体を優遇する「しがらみ政治」「利権政治」という特質がある。当初は党の中から「しがらみ政治」を断ち切るような役を担いたいと思ったが、高い壁がありました。今回の加計学園の問題などは、「しがらみ政治」の一端が出たのだと思っています。そうした連綿と続いてきた「しがらみ政治」から脱却しないと、日本の政治は成熟しないし、また、汗水流して働いている人がバカを見ることになりかねない。

――検事の目から見てそんなに自民党は好き勝手やっているんですか?
 実際、刑事事件として政治家を起訴できるのは100分の1もないでしょう。怪しげなものも含め、本当だったら政治資金規正法違反や公職選挙法など刑法犯罪でチャレンジしてもいいかなという案件もある。でも相手が政治家であると、無罪になった場合のリアクションがかなり大きい。なかなか起訴まで踏み切れないのが実情です。

――そうやって、悪がのさばっていく。加計・森友問題をどう見ていますか。検事の目で見て、事件化は無理ですか。
 森友について、特捜部は近畿財務局職員の背任について徹底してやらないといけない。加計学園に関してはまだお金の流れが出てきていません。出てくれば事件化する可能性もあるでしょう。私が特捜部の副部長だとしたら、興味を抱いて、すでに内偵を始めています。何もしていなければ特捜部の存在意義が問われても致し方ないと思います。

――安倍首相と親しい元TBSのジャーナリストの準強姦事件が不起訴になったのも不可解ですね。逮捕状まで出ていたのに、菅官房長官の秘書官だった中村格刑事部長(当時)がストップさせた。若狭さんはブログでも取り上げている。
 事実関係として、高輪警察署に対し裁判官が逮捕状を発付しました。一度逮捕状が出されたら、特殊な事情がない限り、執行停止はあり得ません。現場の高輪署でなくて、警視庁の刑事部長がストップしたのも、現場感覚としては非常に大きな問題です。この件については他の検察官と意見交換をしましたが、「まず考えられない」という意見です。特殊な事情が発生したのか否かを説明しないといけない。説明もせず「私の判断でストップしました」ということで終わってしまったら、法治主義・法治国家として疑念を生む。政治的な動きで止めたとなれば、法治主義を覆す大問題になりかねません。

――しかし、そうした疑問に安倍政権は質問を門前払いではねつけてしまう。そうした態度について、自民党内からもおかしいという声が上がらない。
 塾において、どういう政治家を求めるかというと、自分の正しいと思うことを、止めることなく、信念を持って、国民に訴え続けることのできる人です。今の政治は、当選回数至上主義です。これが大きな尺度になっているために、選挙に勝ち続けることが重要とされる。そうなると、党からの公認をもらうために自分の意見を抑えてしまう人もいるでしょう。国会議員というのは「言ってナンボ」のもので、鳴かなくなったカナリアみたいな政治家は国民の代表者として失格だと思います。

インタビュー動画③

▽わかさ・まさる 1956年東京都葛飾区生まれ。80年中大法卒。同年、司法試験に合格し、83年から検察官。東京地検特捜部副部長、東京地検公安部長。2013年参院選で自民党から比例代表で出馬するも次点で落選。14年衆院選で自民党の比例東京ブロック初当選。その後、小池都知事の応援団となり、離党。今年7月、新党への布石として政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げた。

(取材・構成=日刊ゲンダイ・高月太樹)

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