北ミサイル発射でJアラートに不具合 住民に戸惑いと不安
総務省消防庁は29日、全国瞬時警報システム「Jアラート」で、北朝鮮のミサイル発射から約4分後の午前6時2分に「発射情報」を、約16分後の同14分に日本上空を飛んだとの「通過情報」を配信した。対象地域は北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、茨城、栃木、群馬、新潟、長野の12道県。
消防庁や関係自治体によると、北海道えりも町や新潟県糸魚川市など一部市町村で、住民に伝える防災行政無線の放送が流れないなどの不具合が発生した。
対象地域では、防災行政無線の屋外スピーカーを通じて「頑丈な建物や地下に避難してください」「不審な物を発見した場合は決して近寄らず、直ちに警察や消防に連絡ください」といった放送が流れた。しかし、各地の自治体には住民から「避難しろと言われても、どこに逃げればいいのか」「通過した後でも逃げた方がいいのか」などといった不安と戸惑いの声が多数寄せられた。
また、落下地点はこれからサンマ漁が盛んになる水域。北海道の太平洋沿岸の漁協の漁師らからも「2発目、3発目が飛んできても、すぐには逃げられない。不安だ」との声が上がっている。
八戸市内では午前6時半ごろ、交差点でトラック同士が衝突。運転手のひとりは「携帯電話に入ったJアラートに気をとられていた」と語った。