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中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

日本では肝臓がんは7割以上が予防可能…ランセットの提言で注目

公開日: 更新日:

 2023年のデータで2万3000人の命を奪った肝臓がんは、5年生存率が36%と難治がんのひとつです。厄介ながんですが、予防できることをご存じでしょうか。英医学誌ランセットの肝臓がん委員会は、「世界で約6割は予防できる」とする提言を打ち出したことが報じられました。一般の方は驚くかもしれませんが、事実です。日本はもっと予防率を高められると思います。今回はその理由を解説しましょう。

 日本では、肝臓がんの原因は7割近くがB型とC型の肝炎で、この2つのタイプはB型肝炎ウイルスとC型肝炎ウイルスの感染によって発症します。

 B型は感染力が強く、輸血や母子感染、注射器の使い回し、性交渉などで感染。このうち10~15%が慢性肝炎を起こして、さらにその一部が肝硬変、そして肝臓がんに進行します。日本の肝臓がんの15%はB型肝炎が原因です。

 肝臓がんの主因はC型肝炎で、6割近くを占めています。90年代以前の主な感染経路は輸血用製剤や注射器の使い回しなどで、まれに母子感染や性交渉での感染もありますが、現在使用される輸血用製剤はウイルス除去がしっかりとなされているため、このルートの発がんは減少に転じています。

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