尖閣も緊張緩和へ 安倍首相が煽った「脅威論」露と消える

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 脅威の「大前提」が音を立てて崩れている。安倍首相は9日、公賓として初来日した中国の李克強首相と東京・元赤坂の迎賓館で会談。東シナ海での自衛隊と中国軍の偶発的な衝突を回避するための「海空連絡メカニズム」の運用開始を正式に合意した。

 海空連絡メカニズムは、日中の防衛当局間のホットライン設置、艦艇・航空機が接近した際の直接通信の仕組み構築などが柱となる。2007年に第1次安倍政権時の日中首脳会談で、双方が交渉開始に合意したが、12年の尖閣諸島国有化に中国が反発。交渉が難航していた。

 今回の交渉では尖閣を巡る日中対立を考慮し、具体的な対象地域を明示しないことで双方が合意。対象範囲に尖閣周辺の領海・領空が含まれない“玉虫色”の決着とはいえ、日中間の最大の懸念だった尖閣を巡る緊張関係が緩和に向けて大きく動き出すことになる。

「玉虫決着と言えば聞こえが悪いですけど、今回の合意内容は、日中双方が事実上、尖閣の領有権を『棚上げ』したに等しい。1978年の日中平和友好条約締結時の状況に戻りつつあり、緊張緩和で日中衝突の危険性が弱まるのであれば、大いに歓迎すべきです」(高千穂大教授の五野井郁夫氏=国際政治学)

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