有森隆
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有森隆ジャーナリスト

30年余、全国紙で経済記者。豊富な人脈を生かし取材・執筆中。「『ゴーン神話(マジック)』の終焉 日産を覆う不安の正体」(「月刊現代」2006年12月号)、「C・ゴーン『植民地・日産』の次の獲物(ターゲット)」(同09年1月号)などを執筆。「日産 独裁経営と権力抗争の末路――ゴーン・石原・川又・塩路の汚れた系譜」(さくら舎)を3月に上梓。

シャープ<上>16年台湾・鴻海の軍門に下る…革新機構は敗北

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「シャープは日本の企業のコーポレートガバナンス(企業統治)の試金石」――。

 海外のメディアや機関投資家はこうみていた。

 シャープの支援に、経済産業省の別動隊といわれている政府系ファンドの産業革新機構が前面に出てきたからだ。“日本株式会社”といわれた時代には、官主導で企業の統合・再編が進められた。この古色蒼然とした手法を使って、シャープの液晶部門と中小型液晶パネル最大手、ジャパンディスプレイ(JDI)を経営統合しようとしたからだ。

 加えて、液晶テレビなどの家電は東芝の家電部門を合併するというシナリオだった。シャープを使って、革新機構が筆頭株主のJDIを救済し、ウェスチングハウス(WH)ショックで瀕死の重傷にあえぐ東芝の家電も引き受けようという、実に虫のいい計画だった。


 これでは昔ながらの日本型ガバナンスそのものだ。安倍晋三政権がガバナンス改革の錦の御旗として掲げた株主主権が、ないがしろにされる。仏作って、魂入れず。鳴り物入りで導入した米国型ガバナンスは形だけのものになると、厳しく指弾された。

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