アメフト問題に乗じ…政府主導の大学スポーツ管理の危うさ
発生から1カ月も経つというのに、日大アメフト部の殺人タックル事件をめぐる騒動が終わらない。はたして、この間にはスポーツ庁が来春の創設を目指す日本版NCAA計画が、まるで既成事実のように語られ始めた。
NCAAとは全米大学体育協会のことだ。1906年の創設で、大学スポーツを統括し、人気競技の興行やテレビ放映権料、グッズ販売などで巨額の収益を上げている。日本でもこれを、しかも政府主導で真似るという。
要は国家権力によるガバナンス。大学スポーツにはOB会による独善的な運営が目立つ。日大アメフト部はその典型なので、日本版NCAAで悪弊を一掃できるのでは、という期待がかかるらしい。大手マスコミの論調も政府の方針に肯定的だ。
だが、ちょっと待て。確かに大学スポーツの実態は問題だ。しかし、だからといって米国のサルマネが万能薬であるはずもないだろう。