立岩陽一郎
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立岩陽一郎

ジャーナリスト、1967年生まれ。91年、一橋大学卒業後、NHK入局。テヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクなどを経て2016年12月に退職。現在は調査報道を専門とする認定NPO運営「INFACT」編集長。アメリカン大学(米ワシントンDC)フェロー。毎日放送「ちちんぷいぷい」レギュラー。

市長とは消防のトップ 「火つけてこい」発言を見過ごすな

公開日: 更新日:

 兵庫県明石市の泉房穂市長が部下に対して「立ち退きさせてこい、おまえらで。今日(立ち退き対象の建物に)火つけてこい」などと怒鳴った件は、全国で報じられた。

 当初は辞職を否定していたが、批判の高まりを受けて辞職願を議会に提出し了承された。泉氏の行政手腕が評価されていることもあって、市民の反応はさまざまだった。言われた側の職員は、市長の性格から出た言葉だとして特に気にしていなかったという報道もあった。残念なのは、政治的な立ち位置で市長を擁護する派と批判する派に分かれた点かもしれない。

 こういう問題を考える時、批判か擁護かではなく、それを導く根拠だ。私はこの発言が神戸新聞などで報じられた直後から「功績はあろうとも、辞職やむなし」とテレビなどで語ってきた。テレビでは語り切れなかった根拠を示したい。

 発言は、JR明石駅前の混雑する道路の拡幅工事を巡って土地の買収が進まない現状に怒った泉氏が、担当職員に対して発したものだ。現場では交通死亡事故も起きているということで、市長としては職員の緩慢な対応に我慢できなかったという。私が問題視したのは、やはり「火つけてこい」という言葉だった。それは、放火という極めて悪質な犯罪を口にしているからだが、単なる暴言として問題にしているわけではない。

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