【ベトナム編・下】金の卵の「卵」たちの日本人気の理由は
今月から可能となった外国人の単純労働者の受け入れ。送り込む側のベトナムの国際空港での光景は、まるで高度成長期の「金の卵」たちの国際版のようだった。
首都ハノイから車で1時間半ほどのハイズオン市の公立高校を訪れると、全校生徒が歓声で迎えてくれた。そして、ほとんどの学生は、あいさつ程度の日本語を話せた。ある学生は、私に日本語が話せると言って近づいてきて、いきなり「ごめんなさい」と頭を下げて笑っていた。
多少困惑しながら、校長に話を聞くと、同校では卒業生(1学年の学生数は約300人)の3割が留学生、もしくは実習生として日本に行くという。それ故、日本語は授業で教えていないが、自分で少し勉強している学生が多いとのことだった。
学生たちは「金の卵」のさらに「卵」のような存在だが、なぜこれほど、日本はベトナムの若者に人気があるのだろうか。
同校の卒業生で現在、日本に留学中のAさんは、近くに日系企業も多数進出しているタンチョン工業団地があり、日本が身近であることが第一の理由であると語る。