【ベトナム編・上】空港で昭和の“金の卵”の光景を見た
ついに改正入管法が今月1日に施行され、外国人の単純労働者の大量受け入れが始まった。当面は協定国であるアジアの9カ国から受け入れるが、今回は労働者を最も多く輩出すると予想されるベトナムの現地の状況を報告したい。
先月初め、1週間の現地滞在を終え、首都ハノイのノイバイ国際空港から帰国しようとすると、空港はこれから実習生として日本に向かう若いベトナム人たちで、ごった返していた。
なぜか、特定の集団ごとに同じ服を着ており、中には国旗が刻まれている服もあった。真新しいパスポートが彼らの期待を映し出しているようにも見えた。両親や友人たちも見送りに来ており、まるで以前、古いニュース映像で見た高度経済成長期の日本の「金の卵」のような光景だった。
2017年度において、技能実習生として来日している外国人の45・1%(27万4233人)がベトナム人だ。新たな在留資格「特定技能」が導入されても、ベトナム人が主流となることは変わらないだろう。
ベトナム滞在期間中、私は幾つかの日本語学校を訪問したが、いずれも多くの学生を地方から受け入れていた。学生たちは校舎内の粗末な相部屋、もしくは隣接する「寮」に住み込み、日本語を学んでいる。学生全員が実習生として日本に来るわけではなく、留学生として来日する学生も少なくない。