安倍自民に落とし穴 野党候補が急追する逆転可能14選挙区
「自公、改選過半数の勢い」――。参院選突入後、大手メディアが最初に行った「選挙情勢調査」は、どこも“自民圧勝”だった。勝敗を決する32ある1人区も軒並み自民候補の勝利。朝日新聞は、「自民リード23」「競り合い5」「野党リード4」としている。
しかし、自民党は本当にそこまで強いのか。自民党陣営からも、戸惑いの声が上がっている。
「大手メディアの調査通りなら、大勝した6年前と同じくらいの議席数になります。でも、人の集まりは良くないし、反応も良くない。6年前とはまったく違う。現場からは“ちょっと雰囲気が良くない”という声が上がっていた。なのに、情勢調査では圧勝ですからね」(自民党関係者)
大手メディアが実施した情勢調査は、自民党に強く出過ぎている可能性が高いという。
「調査は公示日の4日と翌5日に行われています。この時期に世論調査をすれば、自民党に強く出るのは当然です。野党候補はまだ名前が浸透していないからです。たとえば、32ある1人区のうち、野党候補は長野と佐賀を除いてすべて新顔です。しかも、擁立が遅れた。まだ知名度が低いのです。しかも、32選挙区のうち、18選挙区は党派色を消すために“無所属”として擁立している。世論調査で『自民候補の○○と、無所属の○○のどちらに一票を入れますか』と聞かれると、やはり有権者の多くは政党の公認候補を選ぶ。選挙期間は17日間ある。野党候補の知名度が上がっていけば、情勢は変わっていくはずです」(政治評論家・本澤二郎氏)