著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

東方同志会の会員は中野を取り調べた元憲兵を土下座させた

公開日: 更新日:
各地から大阪憲兵隊に応援で集まった精鋭300人が集結編成式で訓示を聞く風景(1932年11月6日)/(C)共同通信社

 中野正剛の自決に関して、「真相箱」は東方同志会の会員が東條暗殺を考えたことをその一因と挙げているが、これについては確たる事実がない。東條の側は暗殺計画があるとでっち上げるのが常套手段だった。それによって憲兵隊を動かし、誰かに弾圧を加えるのであった。

 昭和18年の時点で、… 

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