小林節
著者のコラム一覧
小林節慶応大名誉教授

1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

補助金不交付は事後検閲「表現の不自由展」再開を歓迎する

公開日: 更新日:

 人間は皆、先天的に「個性的」な存在で意見は多様で当たり前である。また、科学も道半ばで、この世には不可解なことが満ちあふれている。それでも、人類は同じ地球という船に乗ってどこかへ向かっている。

 人類の共同生活の目的が最大多数の最大幸福であることは、誰も否定し得ない。

 そこで、表現の自由を保障することで、お互いに仮に「不快」や「非常識」と感じる表現であっても、それが犯罪でない限り、お互いに「言いたいことを言い合う自由」を享受することにより、人類は理解を深めながら文明を向上させて来た。

 愛知の「表現の不自由展」の顛末は、巨視的に見ればよく分かる。

 まず、歴史的に未解決な「慰安婦」問題や戦前の法制下では「不敬罪」に当たる表現を含む展示が企画された。その内容を知った主催者でもある名古屋市長が、個人的な好悪からそれを恫喝した。それを切っ掛けに、その展示を「好まない」人々が多数で事務局を脅迫(犯罪)した。その状況の中で、運営者は参加者の安全等を考慮して、展示を中止した。

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