芸術に口出す権力を大衆が支持…ナチス・ドイツと同じでは
ジャーナリストの津田大介さんが芸術監督を務める国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の中で企画された「表現の不自由展・その後」がテロ予告や脅迫で中止に追い込まれた。
「ガソリン携行缶を持っておじゃまする」と、京都アニメーションの放火事件を連想させるFAXの脅しもあったという。
とりわけ批判が多かったのは、慰安婦の問題を象徴する少女像を展示したことだというが、過ちを認め、さまざまな意見や表現を鷹揚な態度で包み込むのが未来志向だろう。そもそも日本政府は1993年の河野談話で慰安婦の強制性について、国の内外に認めている。少女像が反日だというのは、政府談話も否定するのと同じで、それこそ彼らが批判する反日的な行為ではないのか。
名古屋の河村市長や大阪の松井市長も展示物の内容を批判していたが、権力を握っている人たちが芸術の善し悪しを判断するのは、厳に慎むべきである。