共通1次から40年 なぜ「地域・経済格差」は問題視されず?
従来のセンター試験では全国約700カ所の会場を使い、受験生の便宜を図ってきた。それでも、離島や山間部に住む者にとっては、宿泊の必要があるなど地域格差がなかったわけではない。受験料も、国公立を目指す場合1万8000円と決して安くはない。それでも、前身の共通1次試験以来40年間にわたり、地域格差や経済格差が大きな問題とされたことはなかった。
それは、公が行う試験だからだろう。国会で決めた法律に基づいて行われるということは、いわば国民的合意によるというわけであり、いくぶんの格差があったとしても受容する範囲内と感じられる。民間試験はそうではない。会場数も受験料も試験実施者の都合で決められ、大学入試センターも文科省も口出しできない仕組みだ。事実、今回明らかになったように会場数ははるかに少ないし、受験料も高額だったりする上、大学入学共通テストの受験料にさらに上乗せされる。