隠し玉なしの饒舌ゴーン 逃走劇&政治家の実名はダンマリ
■肩透かしだった2時間半会見
「400日以上もこの日を待ち望んでいた」――。気合に満ちた表情でこう語った割には、とんだ肩透かしだった。金融商品取引法違反の罪などで起訴され、保釈中にレバノンに逃亡した日産前会長のカルロス・ゴーン被告が8日、首都ベイルートで記者会見に臨んだ。
会見場にはゴーン被告が「選別」した12カ国、約60社のメディアのみが入場。東京地検特捜部が逮捕状を取った妻キャロル・ナハス容疑者も姿を見せた。濃紺のスーツにピンクのネクタイで決めたゴーン被告は、冒頭から1時間超にわたって“独演会”をぶった。顔を紅潮させ、身ぶり手ぶりを加えながら自らの無罪を主張。日産と日本の検察に対し、予想された批判を展開した。
日本の検察の捜査手法を「公平ではない」と断じ、検察官の取り調べについて「一日8時間にも及んだ」と問題視。「独房の中で一人でクリスマスを過ごした」「正月休みもない」とこぼし、「『自白しなければもっとひどいことになる。家族も追及する』と言われ、絶望した」「家族は想像を絶する苦しみを味わった」と、感情に訴えかけるように日本の“人質司法”を痛烈に批判した。