隠し玉なしの饒舌ゴーン 逃走劇&政治家の実名はダンマリ
会見に先立って、ゴーン被告は米メディアに逮捕・起訴に関与した日本政府関係者の実名を公表するとも予告していた。ところが、こちらも“不発”。「私は日本政府関係者の名前を挙げることができる。しかし、(発言することで)レバノンを困難な状況に追い込みたくないため、沈黙を守る」と発言した。
「逮捕・起訴に日本政府のトップが関与したと思うか」と問われても、「トップとは『アベサン(安倍首相)』のことか? アベサンが関与したとは思いません」と言うのみだった。日産幹部の実名は挙げたのに、政府関係者については「想像だけで発言すると、更なる緊張を招く」としおらしく口をつぐんだのだった。
「日本はレバノンに対し、約200億円のODA(政府開発援助)を実施してきた。レバノン経済は低迷しており、今後も日本からの支援は必要不可欠。レバノン政府は、これからも金満ニッポンとは仲良くやっていきたいのが本音です。レバノン政府関係者から『余計なことは言わないでくれ』と口封じされたか、ゴーン氏が政府の意向を“忖度”し、口をつぐんだ可能性がある。逆に言うと、ゴーン氏はレバノン政府に生殺与奪権を握られている裏返しです」(外交関係者)