飛び交うデマに言論統制 消された情報こそ真実という皮肉
新型肺炎をめぐって中国のインターネット上でさまざまな情報が流れているが、目下、当局はデマ潰しに躍起になっている。もとより言論統制を強める習近平政権だが、今回はこの統制が裏目に出た。時間の経過とともに、「消された情報こそが真実だった」というケースが続出し、かえって社会を混乱させる事態を招いている。
振り返れば1月1日、武漢市で8人の男性がデマを流布した疑いで拘束された。8人は昨年12月30日、「SARSが出現した」とグループチャットでつぶやいた。すると誰かがこれを外部の友人に転送し、瞬く間に拡散。中国で疫病の発生などの情報を流せば、「治安管理処罰法」違反とされ、最悪の場合、7年の懲役となる。世間も「次につかまるのは俺か」とSNSの発信が静まった。
■12月30日「SARS出現」発信の医師は「勇士」