著者のコラム一覧
保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

母親の浩と慧生は周恩来の計らいで北京で暮らすはずだった

公開日: 更新日:
満州に向かう空の使節の早大生、明大生に送別の辞を述べる愛新覚羅溥傑(1932年7月9日、代々木練兵場=日本電報通信社撮影)

 昭和32(1957)年12月といえば、太平洋戦争が終わって12年が過ぎている。戦争の傷跡は少しずつ薄れていた。とはいえ満州国皇帝溥儀の姪である愛新覚羅慧生の同級生との心中事件は、世間を驚かせた。当時の新聞報道によれば、戦前の社会的立場の相違が2人の結婚を妨げることになったとも書…

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