菅首相「承知していない」は逃げ口上 官房長官時代から国会答弁で42回も連発
得意の“決め台詞”で逃げ切れると思ったら大間違いだろう。
西村康稔経済再生担当相が酒類販売事業者に対し、酒類提供を続ける飲食店との取引をしないよう要請していた問題で、関係閣僚会合で事務方から説明を受けながら、「具体的な要請の議論はしていないので、そこは承知しておりません」と答えた菅首相のことだ。
サラリーマンが居酒屋で無駄話をしているわけではないのだ。それこそ飲食店の死活問題にも関わる重要な内容について、「俺はその場にいたけれど知らないよ」で済むはずがないだろう。だが、菅首相は「承知していない」と言えば何とかなると思っているらしい。なぜなら、問い詰められると使う“逃げ口上”だからだ。
菅首相は官房長官の時から「承知していない」を連発。国会会議録によると、2015年から21年3月までの間、ざっと数えただけでも42回もある。
例えば、15年7月の衆院特別委。自民党若手議員の懇話会の中で、いわゆる「マスコミ懲らしめ発言」が出たことに対する問題意識を問われた当時の菅長官は「そうした御指摘の点については承知していません」と一蹴。20年1月の参院予算委では、桜を見る会の出席者の中に反社会勢力らしき人物が菅長官とツーショットを撮っていた疑いがあるとして、国会議員としての認識を問われた際も「私は承知していませんでした」と言い放った。