保阪正康
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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

広島市街は鳥の鳴き声は聞こえず、犬や猫もなく、死体の山だった

公開日: 更新日:
原爆で瞬時に焦土と化し、煙突だけ残った広島市街の一部。中国新聞本社屋上から東南を望む。右下は久保田醤油の煙突。この煙突の先端部分は原爆資料館に保存されている。8月18日に配信され19日の各紙朝刊に大きく掲載された歴史的な写真。撮影は1945年8月10日から17日の間(C)共同通信社

 2人の駐日ソ連大使館の書記官は、日本人の付き添いもなく、広島市内を見て回ったというのだ。実はイワノフは、広島を何度も訪れたことがあったという。それに広島の地図も持っていた。しかし駅から街の中心までは広い道が通っているはずだったが、実際には建物の崩壊で広い道などはなかったという。…

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