金沢・女性スイミングコーチ殺人事件「6~7割の確度であの男が犯人だと思っている」
1992年10月1日、金沢市三十苅町でスイミングクラブの女性コーチ(当時20歳)の絞殺体が、本人所有の車の中で発見された。当時、金沢市と隣接する松任市(現・白山市)を舞台に捜査は展開されたが、2007年に時効が成立した。
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私が33年の刑事生活において関わった殺人事件で、唯一迷宮入りしてしまったのが、この女性コーチの事件だ。状況から土地勘のある面識者の犯行と考えられ、被害者の交友関係、スイミングクラブの職員、会員および現場周辺の地取り捜査、被害者の身辺捜査に加えて、遺留毛糸などから4400人余りの捜査対象者を捜査したが、犯人検挙に至らなかった。それどころか、警察の捜査ミスで関係ない男性が犯人だというウワサが広まったまま時効を迎えてしまったので、何とかしたいと思っている。
地元の北國新聞社が発行する雑誌「月刊北國アクタス」6月号(06年5月20日)で、「金沢・女性コーチ 殺人事件時効まであと500日、AB型の『男』はどこへ、石川県警は『犯人』に接触した」と題した特集記事が出た。実は真犯人の目星は付けていて、あと一歩というところまで迫っていた。記事の中で、現在は捜査本部から離れたベテラン刑事が、