自民党は改憲案について正直に語るべきだ 嘘をついてもいずれ隠し切れない
改憲論議がいよいよ具体的に動き始める今だからこそ、一番の権限と責任のある自民党に対して改めて言っておきたいことがある。つまり、「改憲案について『正直に』語るべきだ」と。
自民党は、ホームページでも広報資料でも改憲推進集会の挨拶でも、必ず、「『国民主権』『人権尊重』『平和主義』の、現行憲法の三原則は堅持する」と前置きをする。しかし、そのうえで自民党が提案している改憲案は、この三原則に明らかに反している。
現行憲法99条は、主権者国民の最高意思である憲法を政治家等の公務員(つまり権力者)が尊重擁護することを命じている。「国民主権」である。ところが、自民党が2012年に党議決定した改憲草案102条には真逆なことが書かれている。1項で国民に憲法を尊重することを命じ、2項で政治家等の公務員にその憲法を擁護することを命じている。つまり、国民が憲法を尊重するように政治家等の公務員が監視・管理する仕組みになっている。これでは紛れもなく「権力者主権」である。
現行憲法の下では、日の丸を好むか否かは各自の良心の自由(19条に明記された人権)である。しかし、自民党草案3条は、国民に日の丸を尊重することを命じている。