甘利明氏に内閣支持率激減の“元凶説” 山際氏留任を猛プッシュも辞任直前はドヤ顔で取材対応
「勝ちっぱなしはないでしょう、安倍さん」──。25日の野田元首相による安倍元首相への追悼演説を、この人はどんな思いで聞いたのか。本来なら8月の臨時国会で「遺族の意向」として、追悼演説を担うはずだった自民党の甘利前幹事長のことだ。
党が調整中に自身のメルマガで領袖を失った安倍派について〈誰一人、現状では全体を仕切るだけの力もカリスマ性もない〉と記載。最大派閥が猛反発し、追悼演説自体が2カ月以上も先延ばしとなった経緯がある。
そんな「カリスマ性」のない甘利氏だが、追悼演説前日の24日は記者団を前に上機嫌だった。この日、脱炭素社会の実現に向けた自民党の議員連盟が発足。最高顧問に岸田首相と菅前首相が名を連ねたことで話題を呼び、議連会長に就いた甘利氏が取材対応に応じた。
「終始、ドヤ顔でしたよ」とは、ある政治記者だ。こう続ける。
「不仲が伝えられる新旧首相が一緒になったことを聞かれると、声を出して笑い、『この議連を通じて人間関係の溝を埋め、党が一丸になれたらいい』『脱炭素は前総理、現総理の強い意志』とご満悦。設立総会に菅さんが来たかを問われたら、『菅さんとか岸田さんとか来られたら大変でしょ』『元総理と現総理を(議連参加に)呼びかけだナンだに加わるって(普通は)ある?』と驚いてみせた。言葉の端々に新旧首相を議連に参加させられるのはオレだけという自負心がにじみ、われこそが党全体を仕切る力の持ち主と言わんばかりでした」