保阪正康
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保阪正康作家

1939年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。2004年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史 縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く 歴史が暗転するとき』(講談社)として好評発売中。

皇道派系軍人で戦況を変えようと考えた近衛文麿の恐怖の感情

公開日: 更新日:
硫黄島に上陸した米軍兵士たち。日本軍の猛反撃に一進一退の攻防が繰り返された=1945年2月19日(米軍提供) 

 この戦争の敗戦はそのまま共産革命につながっている、というのは誰が書いたのか。むろん近衛文麿が天皇に差し出した上奏文だから、近衛の責任で書かれたことになっている。近衛のような貴族階級には、こうした恐怖の感情があっただろう。軍人の単純な歴史観、暴力で事の解決を図る思想や哲学は、共産…

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